そうですか、わかりました。さて、人材や採用についてのことをおうかがいしたいのですが、女性が多いと聞いているのですが、意図的にそうされたんですか。
岡田社長 女性か男性かは、関係ありません。今は、会社がそれなりに順調にいっているのですが、創業当初はそうでもなかったです。必死の状態で採用する時に、男とか女とか考えている余裕はなかったのです。
女性の比率が一番高いのは、グラフィックデザインをする部署となりますが、そもそも業界全体でグラフィックデザイナーは女性の比率が高いはずですし、グラフィックデザインをする部長が女性だからというのが影響しているかもしれません。ただ、採用方針に性別は関係ありませんし、今も現場ではそういう意識はないと思います。
これから応募してくる人は、どんな人にきてほしいですか?
岡田社長 今ほしい人材は、言われたことをやるのではなくて、「私に作らせてください」みたいな人が来てくれるといいですね。
主張が強いような人。
岡田社長 そうですね。ただ、ちゃんと聞く耳は持ってもらいたいですけど、出世意欲や向上心を持っていて、「自分がやります」というような人が来てくれるといいなと。
ゲーム業界経験者がいいのでしょうか。
岡田社長 私はすべてのことに対して、経験を一番に重視することはしないですね。一番重視するのは、意欲というか、意思ですね。二番目が能力で、三番目が経験だと思います。
社長として、社員が力を発揮するために心掛けていることを教えていただけますか。
岡田社長 社長である自分の言うとおりにしなきゃだめだとか、自分のコントロール下にすべて置こうとすることはしないです。
最近言っているのは、例えばディレクターが取引先へ行って会議をする時に、1人で行けば事足りたとしても、「1人で行くな」ということを言っています。
無駄になってもいいから、とにかく新人を連れて行けと。パブリッシャーとかユーザーは、どういったことを要求しているかとか、実際交渉の場でどういうことが行われているかということを、横で1年間見させて、「こんな感じでやっていくんだ」ということを学習させて、1年後には新人が自分でやってみる、という感じでやっていくようにしています。
作業命令だけをするのではなく、なぜこれをするのか目的と理由を教えるようにしています。頭ごなしに「これさえやっていればいい」というのではなくて、「なぜこれをするのか」という、意図を本人に説明するということです。それによって、考えて作業をできるようになります。
それでは、会社としての目標を聞かせて下さい。より大きくしたいとか、中規模でもいいから面白いゲームを作り続けたいとか。
岡田社長 社員を何人にしたいとか、どれくらいの規模にしたいというのはないのですが、一つ言えることは、私が希望するか否かにかかわらず、会社は永遠に拡大しないと存続しえないと思っています。
今は若い層が多いのですが、各年代、バランス良い人員構成にしたいです。
人材採用や教育に、もっと力を入れないといけないと思っています。当社の場合、入ってきた人の分、ものを作れるのが強みです。
うちは営業部がありません。営業部がなくても成り立つ会社なんです。当社の場合は、私や制作本部長がコネクションを使って「こういうのをやりませんか」とプレゼンを行う形で営業をしていますので、世間一般の営業がいてもやることがない。営業畑でずっと営業をやっている人がいても、商品の企画立案に携わっていなければ商品の内容の話はできないし、何より企画に対する愛がありません。
ですから、商品の制作経験者が具体的なイメージイラストであるとか、企画書とか、できたらサンプルを持って、「こんな感じでやりませんか」という営業の形になります。重要なのは、そういう企画や案を作ってくれる制作者の人たちです。だから制作者を採用する人事部門は、当社では営業と同じくらい重要なのです。
30年拡大を続けて、各年代バランス良い人員構成にしたいということでしたが、40歳、50歳になっても働ける会社にしたいということでしょうか。
岡田社長 はい。これは未体験ゾーンなので、「確実にこうしていけばいい」ということは言えないのですよ。でも、人にはいろんな希望があって、中には、サーバープログラマーとして創業時からいる社員が、今、内部監査室長をしているという例もある。本人の希望が変わってくるところがありますし、一生開発したいという人もいるでしょうし、それができるのかどうかという問題もあります。
残業も、業界の中では少ないだろうという話を聞いたのですが。
岡田社長 そうですね。これも社員それぞれがいろいろなスタイルを持っているので、マネージャーには、できる限り、社員の要望に合わせてあげるようにと言っています。
社員のなかには、家庭があるから早く帰りたい人もいれば、独身でまだ若くて、ゲーム制作がライフワークになっている人もいるんです。そういう人に残業するなというのは、ゴルフ好きな人にゴルフに行っちゃいけないとか、麻雀が好きな人に麻雀しちゃいけないに近いことを言うようなものです。人によって違うので、できるだけその人の希望どおりにしてあげるのが会社にとっても一番良いと思います。
希望どおりにしなければ、辞めてしまったり、勤労意欲が低下したりするので、その人の希望に合わせつつ、法制度とか世の中のモラルと整合性をどうやってとっていくかが重要だと思います。
若手と中堅、どちらの採用を優先されますか。
岡田社長 常に若手は募集していますが、今はマネージャー層が不足しています。制作部門のことだけでもいいからマネージメントできる人、リーダーシップがとれる人は歓迎します。
今、日本のゲーム業界は、作るところから販売まで全部やっているゲーム会社と、制作だけしている会社があります。制作だけしている会社は多くの場合、ゲーム会社や販売会社から企画や仕様の指示をうけて作っていて、オリジナリティを発揮しにくいと聞いたことがありますが。
岡田社長 当社はそうではありません。私がしたいのは、企画立案から自分のところでまずは全部作る。海外ではごく当たり前ですし、アニメ業界でもそういうところがあると思うんですが、うちがここまで作ったので、このままでもいいですし、何か付け加えてこれを売りませんかというスタイルがいいのかなと思っています。というのは、うちは企画が売りの制作会社ですから、自分たちの企画で作りたいという希望があります。
クライアントから企画を持ち込まれても、イメージが湧かない場合もあります。だとすると、初めから当社で作ってしまった方が、ビジネスもすっきりするし、当社の従業員の要望にも応えてあげられると思うのです。そういうスタイルが半分と、クライアントのオーダーメイドで作るのを半分にしたいなと思います。
最後に、ホームページを見る方にメッセージをお願いします。
岡田社長 会社は拡大する時期にありますから、本人の意思さえあれば活躍する場は沢山用意されています。ただ単純にゲーム制作を経験したいとか、オンラインゲームに携わりたいという程度でももちろんいいのですが、やる気がある人ほど歓迎します。
僕が今、企画しているタイトルの責任者も、これから来る人がなれる可能性は十分あると思いますね。
毎年いくつかのタイトルを立ち上げるので、どのタイミングで来ても、今、安定して運営しているタイトルのアシスタントから入って学ぶこともできるし、逆に、これから立ち上げるタイトルのメインになることも可能です。いろんなポジションやチャンスが用意されているから面白いと思いますよ。
これからも成長が続くヘッドロックには、さまざまな経験を持った人、
意欲がある人が活躍できる場所があるということですね。ありがとうございました。